BLOG - 20111114のエントリ
八ヶ岳の山ろく、標高1300mの場所に山荘を建てた。
40代になってやっとのことで土地を見つけ小さな山荘を建てた。
名前は カバンドノル 小さな北の小屋の意味
かれこれ20年になる。
1年を通じて週末は東京を抜け出してこの山荘で過ごしてきた。
春夏秋冬、季節ごとにめまぐるしく変わる気候と生き物達を楽しんだ。
土から生まれ、土に戻っていく植物や動物達。
冬、-20度になる凍りついた世界、高い峰から転がり落ちてくる冷気の固まり、白一面の中、なめるような朝日と跳ねるように走るりす。
遠くで鳴くカケスのつがい、
春、土塊の中からわきだす草のみどり、おおばぎぼしのラッパ葉、ほんの一握りのひとりしずかの点々。
雪解け、凍り解け、土の匂い。
小さな山荘は15年後にサロンを増築した。
馬てい形のプラン、曲面をした土壁。
土と木の家に住む
土壁は土に生石灰を混ぜた土しっくい、塗り壁隊の作業で仕上げた。
柱や梁は杉や米松、(集成材は使わない)4寸角、12センチ*12センチ、大梁は6寸から1尺、18センチから30センチある。
天井は必要なければつくらない、木の架構、軸組をそのまま現わす。
床板はむくの15ミリから30ミリの厚さで本実加工した板だ。
ナチュラルオイル塗りか無塗装のまま使用した。
土しっくい壁のなめらかな曲面と木の架構による室内は優しく、気持ちをやわらげてくれる。
体に害を与える材料を使わず、室内の空気を汚さずに暮らせる事は大切なことだ。